2024年は、技術革新と規制対応が交錯し、業界全体に柔軟で戦略的な対応が求められた一年だったと言える。こうした状況の中、株式会社フォーエムは、パートナーの皆さまとともに業界を盛り上げるべく、年末年始企画「Leaders’ Insights for Publishers」をスタートしました。本企画では、フォーエムと関わりのあるエグゼクティブの皆さまに寄稿を依頼し、それぞれの視点から2024年を振り返るとともに、2025年のさらなる成長を見据えた注力ポイントについてお話を伺った。本企画を通じて、当社は皆さまと一丸となり、業界の発展に貢献していく決意を新たにしています。
GeoEdgeにて、Vice President of APACを務めるEran Navon氏の回答は以下のとおりだ。
プロフィール
私は、2013年からモバイルおよびインターネットサービス企業にて仕事をしています。キャリア初期には、ソーシャルナビゲーションアプリWazeにおいてアジア太平洋市場参入戦略コンサルティングを、Googleによる同社買収に至るまでの間行いました。その後、デジタル広告エコシステムにおけるスタートアップ企業のビジネス開発および市場参入などに従事しました。
GeoEdgeは、デジタル広告エコシステム向けの広告品質管理サービスを提供していますが、私の職務にはアジア太平洋地域のすべてのクライアントへのセールス、アカウント管理、サポート業務等ビジネス全般統括が含まれます。私が入社した2017年当時、GeoEdgeは広告プラットフォーム(SSP、DSP、Ad Exchange)とのパートナーシップに注力しており、当時彼らはプログラマティック広告エコシステムの中でマルウェア攻撃に最も敏感なプレイヤーでした。2018年以降、ウェブパブリッシャー様からのサービス提供要望が増えたことを受け、当社の注力はウェブパブリッシャー様のサポートにシフトし、それと同時に私は日本市場での事業展開を開始しました。それ以来、日本のパブリッシャー様とのミーティングや業界イベントに出席するために既に20回以上日本を訪れています。また、中国、韓国、シンガポール、その他の東南アジアのパートナーにも定期的に訪問しています。
2024年に取り組まれた主な仕事やプロジェクトについて
2024年は、アジア太平洋地域、特に日本でGeoEdgeにとって大幅な拡大の年でした。当社のシステムで監視する広告の1日あたりの数が2倍以上に増えたため、パフォーマンスと規模に応じた安定性にさらに重点を置く必要がありました。もう1つの大きな焦点は、アプリ開発者向けの専用広告品質SDKソリューションであるAppHarbrのリリースでした。日本でのソリューションのリリースに加えて、日本のアプリ開発者の独自の要件に対応するためにサービスの調整にも取り組んでいます。日本のウェブおよびアプリのパブリッシャー様は、あらゆる種類の広告コンテンツの透明性と制御に特別な注意を払っており、当社の製品チームは市場からのフィードバックを独自のシステム機能に反映させるよう取り組んでいます。
2024年のメディア業界で最も注目された出来事
広告品質の観点から見ると、前澤友作氏 vs Metaの訴訟は2024年で最も注目すべき出来事です。2021年以来、GeoEdgeは日本において著名人のイメージや名前を悪用した悪質な広告の攻撃を積極的にブロックしてきましたが、今では代理店やDSPからパブリッシャー自身に至るまで、広告エコシステムのあらゆるプレーヤー間でこのような問題への意識が大きく高まっているようです。
世界的な視点で見ると、動画やCTVの広告フォーマットは、特に米国市場で成長傾向にあります。多くのプレミアムパブリッシャーは、専門的なテクノロジーとビジネスモデルによる新しい収益源の創出に取り組んでおり、ほぼすべての広告プラットフォームがこの分野に重点を移しています。日本でもこの傾向が高まり始めており、CTVは2025年に注目すべきトレンドの1つになると思います。
2025年に向けての抱負や目標
GeoEdgeとして、また私自身のゴールとして、アプリ内広告エコシステムでの認知とビジネスの拡大に注力していきます。ユーザーの関心がモバイルアプリケーションに移り続け、業界の競争が激化する中、広告の品質と優れたユーザーエクスペリエンスは、限られたプレミアムユーザーだけのものではなくなりました。アプリ内業界は特有の課題を抱えており、引き続きアプリ業者様との交流を通し彼らの課題やニーズを学ぶことにさらに時間を費やし注力していく予定です。
GeoEdgeはすでにWebパブリッシャー向けの主要な広告品質パートナーとしての地位を確立しており、アプリ内エコシステムでも自社の価値を証明していきたいと考えています。