多くのWebメディアが「続きを読むページ(リード文)」を導入していますが、本当に収益を向上させるための施策だといえるのでしょうか。
もちろん「続きを読むページ」を導入することでPV数は向上するため、一般的には向上させることができるように思えます。
しかし、「続きを読むページ」を導入したWebメディアのうち、どのくらいの割合が収益性の検証を行っているでしょうか。導入後のセッション単価はどのように変化していて、PV単価はどのように変化しているのでしょうか。
1. 「続きを読むページ」とは何か?なぜ「続きを読むページ」を導入するのか?
「続きを読むページ」とは、モバイルの記事コンテンツにおいて「続きを読む」や「記事を読む」ボタンをタップすると全文が表示される形のページのことです。
「続きを読むページ」を導入しているWebメディアは、下記のような理由で導入を行うことが多いと聞きます。
<CHECK!>
・PV数を向上させるため、および広告収益を向上させるため・長文のコンテンツだと離脱してしまうユーザーを直帰させないため
・内容に興味がなさそうな場合に、サイト内の他のコンテンツに移動する機会を設けるため
しかし、一緒にお取り組みしているWebメディアの方から「続きを読むページ」を導入して以降、パフォーマンスの分析を行っていないとよく伺います。これでは、本当に収益が向上しているのかわからなければ、ユーザー目線に立っても本当に役立っているのかどうかわかりませんね。
2. 「続きを読むページ」の削除によって想定される効果は?
次に、「続きを読むページ」の削除によって想定される効果を紹介します。
「続きを読むページ」の削除によって想定される効果を一言で言うと、PV単価(1PVあたりの広告単価)が向上するということです。
もちろん1ページに入れている広告枠数にもよりますが、多くのWebメディアは「続きを読むページ」よりも全文を表示させているページの方が多く広告を表示している場合が多いです。したがって、「続きを読むページ」がある場合と比べて単純にユーザーが接触する広告枠の数が多くなるので、PV単価が向上します。
3. 「続きを読むページ」を削除したWebメディアの事例を紹介
ここからは、とあるWebメディアがリード文を削除した実例をご紹介します。
3-1. 背景
あるWebサイトの担当者は、数年前に「続きを読むページ」を導入したはいいが、本当に収益が向上しているかどうかについて悩んでいました。
・数年前に「続きを読むページ」を導入
・「本当に収益が向上しているのかどうかわからない」「全文を読みたくてメディアに訪れてくれているユーザーにとって、1ページ挟むことはユーザビリティを下げているのではないか」と感じている
3-2. 「続きを読むページ(リード文)」削除前の状況
担当者は「続きを読むページ」の削除について本格的に考え始めました。しかし、様々なリスクについて配慮しなければなりませんでした。
・モバイルのPV数の50%以上が「続きを読むページ(リード文)」
・リード文の離脱率が約70%
仮に「続きを読むページ」を削除すると、PV数が半減するリスクがあります。しかし、「続きを読むページ」で離脱していたユーザーが戻ってくることを考えると、一概にPV数が半減するとは言い切れません。
また、最初から全文を表示させることによりPV単価が向上し収益性も向上するのではないかという仮説も立てられます。
3-3. 「続きを読むページ」削除の結果
「続きを読むページ」削除の前後2週間を比較した収益のグラフをご覧ください。
もちろんPV数の増減も加味する必要がありますが、収益が向上していると言えます。
↓「続きを読むページ」を削除による効果まとめ↓
・パフォーマンス
・セッション単価:約22%向上
・PV単価:約39%向上
・PV数:約15%減少(離脱率が約15%増加しているので、PV数が減少としています。)
<メリット>
・PV単価の向上
・離脱率の減少
・ユーザービリティーの向上
<デメリット>
・PV数の減少
4. 「続きを読むページ」導入後もしくは削除後に注目すべき分析ポイント
「続きを読むページ」の導入後もしくは削除後を分析する際に注目すべきポイントをご紹介します。どの指標を見るべきかわからず困っている方の参考になると幸いです。
【Google Analyticsデータ】
・離脱率の変化
・直帰率の変化
・PV数の変化
・ページ/セッションの変化
【広告収益データ】
・PV単価の変化
・セッション単価
比較をした上で、セッション単価が向上していたら収益性は向上していると考えていいと思います。
5.まとめ
この記事では、「続きを読むページ」の削除の効果についてご紹介しました。まだ効果検証を行っていないWebメディアの方は、この機会にぜひ分析してみてください!
本記事がきっかけで、皆さまのWebメディアの収益改善に繋がればとても嬉しいです。