今回は、モバイルアプリにおける広告収益最大化のソリューション「Prebid Mobile」について解説をします。
下記3点がまとめです。
①Prebid Mobileはアプリ内広告における、CPMを向上させるソリューションです。
②AdMobなどのプラットフォームの中で利用するものです。
③Prebidは、Webのマネタイズの世界では既に一般化されているものです。
今回は、Pebid Mobileとは何かという概要の部分から、導入のメリットとデメリット、歴史、最後に仕組みについて簡単にご説明していきます。
1.Prebid Mobileの概要について
まず、Prebid MobileとはPrebid.org(プレビッド・オルグ)と呼ばれる非営利団体が開発したソリューションです。
最大の特徴として、オープンソースのテクノロジーであることが挙げられます。
このことによって、何がもたらされるかについては、この後ご説明をしていきます。
2.導入のメリット
次に導入のメリットをご説明していきますが、Pebid Mobile導入の最大のメリットは、CPMが向上することです。
CPMが向上する仕組みには、メディエーションが大きく関わってきますので、ここでメディエーションについて説明をしていきます。
メディエーションとは、図のように、複数の広告事業者を競わせて、最も単価の高い広告を出す。こういった仕組みのことを指します。メディエーションの仕組みは、Google AdMobやAppLovin MAXなど主要なプラットフォームの機能として導入されています。
Pebid Mobileを利用することで、上図に記載のある広告事業者のCPMを高くすることができます。SSPを提供する事業者は当然、CPMの高い広告を出すことを望んでいます。しかし、現在のプラットフォームの入札形式では仲介業者が存在するために、CPMを高く出せない広告事業者が一定存在します。
そういった広告事業者にとってPebid Mobileを利用すると、CPMをより高く出すことができます。この理由は歴史に紐づいてきますので、この後歴史についてもお話をしていきます。
下図に示している広告事業者が、Pebidを経由して配信できる業者の一例です。これ他にも20件ほどの広告事業者が存在します。
3.歴史
次にPrebid技術の歴史についてご説明していきます。Pebid Mobileは先ほどお伝えしたように非営利団体のPebid.orgが開発したものです。
Pebid.orgは、広告業界の透明性と競争の促進を目指しています。
Pebid Mobileは、広告事業者から手数料を得ていません。つまり、広告事業者からすると、Pebid Mobileを利用しても手数料を取られない状況になっているため、その分よりCPMの高い広告を配信することができます。
この仕組みによってWebメディアでは実際に導入30%以上、CPMが全体で伸びた事例もあります。
4.配信のフロー
最後に配信のフローについて説明をしていきます。
配信の仕組みとしてはかなりシンプルです。
Pebid Mobileの中で一番CPMの高い広告事業者、そして、メディエーションプラットフォームのAdMob等に接続されている全ての広告事業者の中で一番高い高い広告事業者が競い合って、最も高い単価を出せる広告が表示されるという仕組みになっております。
以下のステップで広告が配信されます。
STEP① Prebid SDK が入札リクエストを行う
Prebidが、Prebidに接続されている広告事業者へ広告リクエストを行う
STEP② Prebid サーバーが入札を実行し、落札価格を返す
Prebidに接続されてる広告事業者同士でオークションが行われる
STEP③ GMA SDK・AppLovin MAX SDK が広告リクエストを行う
STEP④AdMobやAppLovinはメディエーショングループに設定された情報を返す
AdMobやAppLovinは「ウォーターフォール」や「Bidding」を行い、最も単価の高い広告を選定する
STEP⑤ Prebid SDKとGMA SDKが所有する入札情報を統合し再度オークションを実行する
AdMob・AppLovinとPrebidそれぞれの最も高い広告を再度競わせる
STEP⑥ ⑤でPrebidが入札した場合、落札したネットワークに落札価格やクリエイティブをレンダリングする。
5.Prebid Mobileの導入方法
Prebidの始め方は以下の流れで行われます。
- 1.Prebidサーバーをホストする
- 2.SDKをアプリへ導入する
- 3.app-adst.txtに、Prebid Mobileの内容を追加する
- 4.メディエーションプラットフォームでPrebid Mobileとの接続設定を行う
- 5.配信テストを行う
- 6.本配信へ
1.の工程はprebid.orgの公式サイトから手順を確認することができます。
実装の方法として、以下2通りがあります。
①パートナーと契約し、実装する方法
②独自に用意する方法
独自に用意する場合は、以下URLより手順が記載されています。
https://docs.prebid.org/prebid-mobile/prebid-mobile-getting-started.html
パートナーと取り組む場合は弊社にお声がけください。
弊社はMagnite社と、Prebid Mobileの導入支援を行っております。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000028417.html
今回はPrebid Mobileについて概要からフローを解説いたしました。
本記事でPrebid Mobileへの理解が深まるとともに、手助けになれたら幸いです。