今回の記事はダイナミックアロケーション(DA)について解説していきたいと思います。
みなさまのお力添えになれたら幸いです。
1. DA(ダイナミックアロケーション)とは?
ダイナミックアロケーション(DA)とは、Google Ad Manager(GAM)の仕組みで、Google AdExchange(AdX)と他のSSPを競合させることでオークションプレッシャーを上げて、CPMが最も高い広告を配信するというものです。
なぜGoogle AdExchangeと他のSSPを競合させることがネットワーク広告の収益最大化につながるのでしょうか?
100m走をする時、一人で走るよりも自分と同じくらいか少し速い人と一緒に走った方がタイムが良くなったという経験はないでしょうか。100m走に限らず、自分一人で何かするよりも、近くにライバルがいる方が自分のパフォーマンスが最大限発揮されるでしょう。これと同じような役割を、DAではしているのです。
もう少し詳しく説明します。アドネットワークとは、複数の広告主と複数の媒体・広告枠をまとめて配信する仕組みのことですが、仮想CPMが設定されているFloor Price(RTBの広告配信における最低落札額)より低かった場合は、このアドネットワークから広告が配信されます。Floor Priceを下回る入札額の広告は、オークションで入札額が1位だったとしても掲載されないので、仮想CPMがAdExchangeに勝っていたとしても、Floor Priceを下回っている場合は広告を配信することができません。
この場合に、最後の砦としてSSPの下で待ち構えているアドネットワークから広告が配信されることになるのです。
このように、仮想CPMを設定することで、広告オークションにプレッシャーをかけ、CPMを高めようとするのがDAの仕組みです。運用としては、広告オークションに適切なプレッシャーがかかるような仮想CPMの金額を考え、設定するということをしています。
2. DA設定をするメリット
2-1. DA設定をしている場合
DAを利用する場合、AdExchangeと、それに競合する仮想CPMを設定します。AdExchangeは、設定された仮想CPMの金額以上の単価で入札しなければ広告枠を購入することができません。
仮想CPMの金額の方が高かった場合は、AdExchangeではなく別のSSPが広告を配信することになります。こうすることで、オークションにプレッシャーがかかり、AdExchangeは低い価格で入札している場合ではなくなります。ライバルと一緒に100m走を走っているのと同じですね。
2-2. DA設定をしていない場合
DAをしていない場合、つまりAdExchangeのみを掲載している場合について考えてみます。この場合、AdExchangeが入札を行う際に競合する相手がいないので、入札額はAdExhangeの言い値で決定されてしまいます。これは100m走を一人で走っているのと同じ状況です。
このままだと広告単価が上がらないので、媒体側にとっては好ましくありません。全体の収益性を上げるためにも、AdExchangeのライバルとなるような存在を追加する必要があります。このライバルと同じような存在が、仮想CPMです。
補足すると、AdExchangeに仮想CPMが勝った場合、2つの広告配信のパターンが考えられます。
1. 他のSSPが広告配信をするというパターンです。
2. SSPの下にいるアドネットワークから広告が配信されるパターンです。
3. GAMでのDA設定方法
3-1. オーダー作成
手順①
手順②
3-2. 広告申込情報を追加する
手順①
手順②
手順③
手順④
手順⑤
手順⑥
これでDA設定の完了です!
4. まとめ
DAは広告収益を最大化させるものであり、広告配信の仕組みにおいて基本的なものになるので、非常に重要です。しかし、その流れは複雑なので、なかなか理解しづらいと思います。
おわりに
今回は、DAについて解説しました。
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