Blog

Facebook Icon Twitter Icon Linkedin Icon
Facebook Icon Twitter Icon Linkedin Icon

「そのアプリ、国内だけじゃもったいない!?一緒に世界に旅立ちましょう!」

 

2023年6月22日(木)、AnyMind Japan株式会社の子会社で、Web Publisher及びApp Developerのメディアパートナー事業を展開する株式会社フォーエム(代表取締役:小堤 音彦/以下、当社)は、大手モバイルデータ分析プロバイダーdata.ai(旧App Annie Japan)と共催で、株式会社Leave it to me 代表取締役の池田 寛様や世界を主戦場にアプリ運営をされているアプリ開発者様を招いて、モバイルアプリデベロッパー様向け無料オフラインセミナーとして、「そのアプリ、国内だけじゃもったいない!?一緒に世界に飛び立ちましょう!」を当社オフィスで開催いたしました。

今回のイベントでは、data.ai Customer Success Managerの秋本 祥吾様によるセッション「世界市場の動向はこれだ!」と当社 Senior Managerの佐藤 立によるセッション「アプリの海外対応、いったい何をすれば良い!?」、株式会社Leave it to me 代表取締役の池田 寛様をモデレーターにパネルディスカッションと、3つのコンテンツに加え、お酒や軽食を片手に参加者同士の交流が行われました。

 

様々な経歴・立場の方をお呼びしてのイベントとなったため、イベントの様子をご紹介いたします。

 

以下、敬称略で記載させていただきます

 

はじめは、data.ai Customer Success Managerの秋本 祥吾様によるセッションです。

「モバイル市場についての全体的なデータ」と「どんなアプリを海外展開すべきか」についてお話しいただきました。

 

1. 世界市場の動向はこれだ!

(登壇者:data.ai 秋本 祥吾)

1-1. data.aiとは?

秋本:まず、data.aiについて簡単にご説明させていただくと、モバイル市場に関するデータを提供しています。テレビの視聴率などのデータがあると思いますが、そのモバイルアプリ版を提供しているとご認識していただければ、一番分かりやすいと思います。なので、例えば「全世界でこのアプリがどのくらい使われているのか」「何件ダウンロードされているか」などのデータを見れるサービスを提供している会社になります。なので多くのアプリパブリッシャー様にご利用いただいていまして、競合のモニタリングや市場のデータの把握などにご活用いただいているサービスでございます。

1-2. 2022年のモバイルアプリ市場

秋本:新規アプリのダウンロード数が2550億となっており、全世界の人口を80億人とすると、一人当たり約30個のアプリを一年間でダウンロードしている計算になります。日本だと人口が1億人とすると、一人当たり約24個のアプリが使われていますが、世界とさほど数字に差はありません。一般的に大体一台のスマホに100個ほどアプリが入っていて、常備使われているアプリが30個ほどといわれています。

また、携帯用広告の支出額が3360億ドルということで、引き続き多くのプレイヤーがアプリ市場に参入していることがわかります。

1-3. 国別ダウンロード / 収益のシェア

 

秋本:世界規模でどの国が何%のダウンロードシェアを得ているかというと、上位5位の国々が4分の3を占めています。そして、収益は米国が一番大きく、それに続いて中国、日本となっています。

1-4. 日本産アプリのジャンルごとの海外ダウンロード / 収益のシェア

秋本:日本に本拠地があるデベロッパーアカウントで、data.aiで計測可能な174の全ての国を対象に、ダウンロード数と収益をあげているジャンルをランキングにしました。

右に並んでいるアプリのアイコンがそのサブジャンルを代表するアプリとなっています。

そして収益は、コミュニケーションがトップ、代表的なアプリでいくとLINEですね。2番目にライブストリーミング、代表アプリだとHakuna Live、続く3番目は漫画で、次にアバターベースのソーシャル、代表的なアプリだとLINE PLAYなどです。次にペイントソフト、その次にツール、代表的なアプリはPokémon HOMEなどでして、このようなラインナップになっています。

1-5. 日本産アプリの年度別アプリジャンルごとの海外ダウンロード / 収益のシェア

秋本:そして年度別にデータをだしてみました。カテゴリーごとに色を分けて、何のサブジャンルが人気なのかを三ヵ年で分かりやすくまとめました。

これらから読み取るに、総じて同じようなサブジャンルが三年で続いていたりします。

 

まとめになるのですが、「なんのアプリを世界に輸出すべきか」ということが重要になると思います。

今回日本の現状をご理解いただいたうえで、日本から海外で人気が出ているのはどんなアプリなのかをご紹介しましたが、このサブジャンルのアプリを作れば上手くいく、という訳でもありません。

今回お話しすることができなかったデータはたくさんありますが、業界、サブジャンル内で、一つ二つのアプリがそのジャンルを底上げしているケースが多かったので、この数字が全てではないということは確かです。

例えばですが、自社のコーポレート的に「こういうアプリを出したい」「こういうアイデアがある」っていうのをベースに色々な国に輸出したりですとか、国によって伸びているマーケットが異なることもありますので、そういったことをリサーチしてからアプリを海外展開することが重要だと思っています。

 


続いて、当社 Senior Managerの佐藤 立によるセッションです。

「マーケットの選定」と「LTV最大化」についてお話ししました。


2. アプリの海外対応、いったい何をすれば良い!?

(登壇者:株式会社フォーエム 佐藤 立)

佐藤:先ほど、data.aiさん方の登壇では、どの国でどんなジャンルが伸びているかなどについて、お話があったかと思いますが、私のパートでは、それを踏まえて実際どういうアクションを起こしていくべきかについて具体的にお話ししようかと思います。

2-1. FourMとは?

佐藤:フォーエムは、親会社AnyMind Groupのなかで子会社として主にマーケティング領域をサポートしています。もう少し具体的に説明しますと、大きく分けてふたつの事業部に分かれています。一つ目は広告主さま向けのソリューションです。インフルエンサーでしたり、プロモーションに役に立つことを提供させていただいて、広告主様の販売促進をやらせていただいています。もう一つが我々フォーエムのやっている、パートナーグロース事業です。Webメディア様でしたり、パブリッシャー様の収益を最大化する支援を事業でやっています。パブリッシャー様ですと国内のWebメディアが600以上、Appが220ほどサポートさせていただいています。最後に、フォーエムがGoogleのパートナー企業になっておりますので、アナリティクスでしたり、そういった諸々に密接してサポートを行っています。なのでGoogleのポリシー違反でしたりとか、そういったことにお困りの方がいらっしゃいましたらご気軽にご相談いただけたらなと思います。

2-2. マーケットの選定

佐藤:ポイントの一つ目が収益性です。実際に国ごとでCPMがどのくらい違うのかというと、バナーの場合、日本は$0.22で高いですが、1位のアメリカは日本の約1.5倍となっています。トライして収益向上を大きく狙いたいのであればアメリカは単価が高いですし、どこを目指したいかによってどのマーケティング領域を狙っていくのかを決める一つの要素として、やはり収益性は大きくあるかと思います。

ポイントの2つ目が市場ニーズです。そもそも自社アプリで満たせるユーザーのニーズがなんなのか、ニーズを表現するキーワードは直訳する以外に何があるのか、を調査していくのか重要だと思っています。

佐藤:海外ではどんなキーワードを使っているのか見ていくと、ほとんど指名検索、自社のアプリ名か競合のアプリ名で検索されていることがほとんどです。

そのため、実際に自社アプリの市場だと、類似アプリはどんなキーワードからダウンロードされているのか、そもそも直訳されているものが一般的なのか、または別の言葉でアプリを表現しないといけないのか、ということをリサーチすることがマーケット選定において重要ですし、そのリサーチができるのがdata.aiさんなので、このようにユーザーのニーズを把握するために活用していくと、そもそもその市場で自社アプリが伸びるのかどうかが明確化していくかと思います。

なので、そのアプリの「ニーズが言語化できているのか」ということが海外市場に進出していく上で非常に重要になってきます。

2-3.LTVの最大化

佐藤:ここからは、LTVの最大化についてお話します。我々の得意な分野が広告マネタイズであるので、今回は広告を中心にLTV最大化についてお話ししたいと思います。広告の収益性を決める要素は、インプレッションと広告の単価(CPM)であると思います。なのでインプレッションからお話いたします。

まず、日本と海外のユーザーの広告への意識の違いについてお話しするんでが、日本ユーザーは「広告が多いからレビューに1をつけよう」というユーザー心理が頻繁に起こりうるんですけど、海外は反対に広告が少ないと、「そもそも無料なのに、なぜここまで遊ばせてもらえるんだ?」と、不信感を抱いてしまいます。ですので、そもそも現状のアプリに広告が多すぎるかも?と疑うよりも日本と海外の前提の違いを疑うことが重要です。

とはいえ、海外向けに出したアプリの枠を増やしましょうとなった際に、当然ユーザーへの影響は怖いので、広告を増枠する前と後を比較して、どのくらいユーザーの維持率(リテンションレート)が違うかを見ることが重要です。ここから、今年ホットなユーザーへの影響が少なく、効果が出いてる例をご紹介させて頂きます。

この広告はApp openというフォーマットなんですが、去年と今年では、広告の流通量が数十倍に増えています。要はそれだけ多くのアプリデベロッパーが実装されていますし、このフォーマットに広告を出されている広告主も増えているということです。左から三番目のキャプチャ(Splash/Loading screen)に書かれているんですけれど、画面全体の80%くらいに広告が表示されて、上部のアプリアイコンが記載されている白いバーをタップするとアプリに戻れる仕様になっております。今年に入って、10アプリさんくらいでこのApp openをうちで入れさせていただいているんですけれど、正直ほとんどユーザーに影響がでなかったです。一部だけユーザーの継続率が下がるケースもありましたが、80%は全く影響が出ていません。なので、始める時はミニマムから、全体ユーザーの20%ほどで試して、しっかりとユーザーの維持率を比べてみる。そういった細かい工夫は必要ですが、やるかやらないかで全体の収益性は非常に変化すると思います。

佐藤:最後に、ここまで考え方についてお話しさせていただいたのですが、CPMを高めるにあたってお役立てできそうなソリューションについてお話させていただこうと思います。

「Prebid」というソリューションです。Webの領域を見られている方だと馴染みあるかと思いますが、Magniteさんという会社とご一緒にご提供させていただいているものでして、従来であれば、CPMを高めるためにいろいろなSSPさんを組み合わせて単価の高いSSPさんを配信する、というメディエーションを行われていると思います。ですが、当然メディエーション経由でSSPを配信しようとすると、多少プラットフォームの手数料が発生する訳です。

ですので、そういったプラットフォーム上でなければ、もっと単価を高く出せるSSPさんが一定存在します。このPrebidがオープンソースのテクノロジーなので、SSPさんの立場からすると手数料を取られないため、CPMをもっと高く出せるんです。なので、Webの方だと一般化されてて、CPMだと10%~30%上がっています。アプリだとまだ市場が出来上がっていなくて、これからではありますが、実装されているアプリさんが増えれば増えるほど、SSPさんもこのテクノロジーを使って配信してみようと考えるので流通額が増えます。なので我々としては、いろいろなアプリデベロッパーさんに是非一緒にトライしていただき、SSPさんを接続してこのマーケットを作っていきましょう!とアプローチをかけています。

ですので、特にこのPrebidは海外のソリューションなので、これから海外にアプリを出していきたいということであれば、将来的には絶対マストになると思いますし、あとはどのタイミングでやるかだと考えていますので、是非ご興味ある方は、我々と一緒にこの市場を作っていければなと思っております。

まとめになりますが、アプリを海外展開しいていくために、マーケットの選定とLTV最大化を行うことが重要だと思っております!マーケットの選定は、収益性という観点と市場ニーズの2つの観点から選定することを推奨しておりまして、LTVの最大化はインプレッション、広告単価のどちらも上げるための施策を打つべきだと思っております。




最後に、株式会社Leave it to me 代表取締役 池田 寛様がモデレーターを務めるパネルディスカッションです。

株式会社イグニッション・エム 代表取締役社長 升田 貴文様、株式会社ポラリスエックス 代表取締役 住田 康洋様、サンゴテクノロジーズ株式会社 代表取締役 野間 悠磨様をゲストにお招きして、行いました。


3. パネルディスカッション

(登壇者:株式会社Leave it to me 代表取締役 池田 寛 & 株式会社イグニッション・エム代表取締役社長 升田 貴文& 株式会社ポラリスエックス 代表取締役 住田 康洋& サンゴテクノロジーズ株式会社代表取締役 野間 悠磨)

池田:「経験者が語る!海外展開の裏側」というテーマでパネルディスカッションをさせていただきます。

こちらは世界地図です。日本は1.2億人の人口で、アプリマーケット市場で言うと$180B。世界で見ると、80億人の人口で、$167B。人口で約80倍。売上でいくと10倍弱くらいの世界市場です。ここにチャレンジしないのはもったいないと思うんです。ところで質問です。海外展開に本気な方は手を挙げてください。そうですね。人口が80倍ですから。私は絶対海外展開にチャレンジすべきだと思います。次は登壇者紹介です。

升田:IGNITION Mの升田と申します。にゃんこ大戦争を作った人と紹介して頂いて有難いです。実際、プログラミング以外全てやっていました。メインキャラクターデザインからシナリオ、プロローグの文章も自分が即興で書いたり、ゲームバランス、プロモーション、音楽も指示していたり。本当にプログラミング以外全てやっていました。お陰様で累計8200万DLになってます。他にもMr.シリーズを手掛け、本能的にくすぐるようなゲームを得意として作っています。2016年に独立して、IGNITION Mという会社で、「ぼくとネコ」などを手掛けています。よろしくお願いします。

住田:ポラリスエックスの住田と申します。よろしくお願いします。元々カプコンで20何年間、海外営業をずっとしていました。iモードであったりとか、カプコンの中でやる人が少ないメインストリームでない所で立ち上げをやっていました。最後は自分で会社をやりたいなと思い、会社を立ち上げました。最初は中年騎士ヤスヒロを作ったのですが、ご存知の方いらっしゃいますか?(一同挙手)あ、いらっしゃいますね有り難う御座います。「ヤスヒロ」は僕の名前なんです。(一同笑い)その後、一人で何かやってみたいと思い、現在は海外のインディーズさん向けのゲームを日本に、日本のインディーズさんのゲームを海外に出すということをやっております。何かちょっとでもお話が参考になればと思います。よろしくお願いします。

野間:初めまして。サンゴテクノロジーズの野間と申します。ゲームではなく我々はSNSを作っておりまして、Z世代向けのSNSを開発しております。TapNowというアプリなのですが、ここ最近で言うと、フランス発のサービスでBeRealというアプリですとか、少し前だとZenlyですとか。Z世代向けのSNSが世界中でここ最近台頭していて、TapNowも同じくZ世代向けで使ってもらっているアプリとなります。経歴で言うと、元々アドウェイズと言う広告代理店に入っておりまして、その当時中国の上海であったり、ベトナムのホーチミンに6年くらい駐在しておりました。その後、池田さんと会うきっかけにもなったのですが、日本に帰国後、モバイル広告の会社にジョインして同じ時期にサンゴテクノロジーズを作りました。

3-1.最初から世界を狙っていた?(途中からでも狙える?)

升田:そうですね。全然最初から狙っていました。というのも、元々ポノスでガラケーのiモードをやっていましたが、全然売り上げが上がらなくて。そんな中で、黒船の様にiPhoneがやってきて。日本に市場が無いということと、ガラケーではモバゲーさんやGREEさんが強かったのでちょうどそこの隙間が狙えるぞということで最初から英語圏を狙っていくというマインドセットは出来上がっていました。にゃんこ大戦争の時も海外に展開するよりも、難しいタイトルということもあって、マインドセットには海外に必ずいくぞというものはあったので、途中から英語圏を目指しました。

池田:つまり「にゃんこ大戦争」は最初は日本マーケットでやっていたけど、後から北米とか海外でやってみたらうまくいったから、升田さんが今やっている「ぼくとネコ」は最初から海外を狙ったと。住田さんはいかがでしょうか?

住田:そうですね。今メインでやってるタイトルが、「ことだま日記」という、言葉を与えてその言葉の持っているパラメーターに応じてキャラクターが進化するというものです。それを考えた時に、日本じゃないと無理じゃ無いかなと思ってました。最初から狙っていたかと言われると、狙ってはいなかったです。むしろ憧れみたいのはあって。行けたらいいなとは思っていました。

池田:なるほど。全く経験もなく、アプリを作って飛び出した野間くんはいきなりどうしたんですか?

野間:世界でそもそも現段階で勝てているのかという話があるのですが、まだまだ志半ばではあるのですが、今現状で海外比率が20%くらいで海外はプロモーションせずに伸びてきているので、それなりに頑張っているとは思っています。世界を狙っていたのかという話に戻ると、升田さんにも似ているのですが、SNSの世界でグローバルにチャンスがあると思ったわけではなくて単純にロマンです。海外とれた方がかっこいいかなと思いました。

池田:「ロマン」。素敵なモチベーションですね。

野間:ロマンって一言で括ってしまうとそれだけなんですけど、元々海外駐在していた時に海外むけのプロダクト開発をしていたんですね。当時20代だったということもあって、青臭いですけどこれで世界を変えてやるんだくらいの意気込みで作ってリリースしました。けど実態としては、ホームラン級は打てずに悔しい思いをして日本に帰ってきたという過去があります。なのでリベンジをするには、日本だけでなくグローバルで勝負しなければいけないというストーリーがあります。

3-2. 日本と比べてビックリしたことはありますか?(一番の違いは何でしょう?)

野間:日本に関わらずグローバル全体でZ世代が99%を占めるアプリでして、その中で日本が一番ユーザーが多いです。ほぼ毎日色々なご要望であったり、フィードバックをメールであったり色々なチャットで頂くことが多いのですけれども、その中で日本人のユーザーからは一度もUIとかUXについてのご要望とかご意見などは一度も出たことが無かったんです。一方で2割しかいない海外、特にイスラム圏とか東南アジアの方からはフィードバックのなかでUI/UXが結構な割合を占めていました。なので、UI/UXに対してこだわりを持っている人が多いことが海外の特徴だなと感じました。

池田:どんな話が来るんですか?

野間:野間:もっとシンプルにした方が良いとか。逆にこのUIが好きであったり。海外には良いも悪いもUI/UXについてコメントしてくる人がいるんですね。日本では一度もその話をされたことが無いです。

池田:ちゃんと対応しているんですか?

野間:そうですね。そこはしっかりと対応しています。色々考察すると、ストアページに入ってからインストールするまでの率が海外の人はかなり高い。日本の人達はそこまで高くないんですね。ストアページに来てからストアのスクリーンショットや説明を読んでいるのが日本人。海外の人、特に英語圏じゃない所は、そこまで文字とか読まずにインストールする人が多いんです。結果、インストールした後に離脱する人もそっちの国の方が多いんです。自分が求めているアプリなのか、マッチするアプリなのかを判断するタイミングが日本の場合はストアページでそれなりにかかっている。外国人の人たちはアプリの中に入ってからなんですね。

池田:升田さんはいかがでしょう?

升田:ちょっと野間さんが打ち合わせの時に無かったことを言っていて、僕も同じことを言おうと思っていたんですけど。でも、海外の方って熱量が凄くてびっくりするんですよね。日本の人って与えられたサービスをそのまま受け取ってダメだったら黙って切ったりするんですよ。けど海外の人ってその商品を気に入ったら、ファンになってくれて、どうにかしてこの商品を良くしたい!という思いをぶつけてくるんですよ。良い意見も悪い意見も親身になって寄り添って言ってくれるんですよ。あとゲームを盛り上げるコミュニティを作りたいから、アイテムとかそういった素材を提供してくれませんかと言ってきます。

池田:それ、嬉しいですよね。

升田:めちゃめちゃ嬉しいです。なのでそういったユーザーさんからご意見をいただいた場合は、こちらからも寄り添ってサポートしてあげるという姿勢でいくと、ある程度プロモーションにお金をかけないでもユーザーさんが集まってくるんです。

池田:それはちゃんと対応するし、コメントにも返事をするのですか?

升田:直接メールで来るので、しっかりと返事はします。

池田:そういった返事をするということは大事なんですね。住田さんは何にびっくりされたんですか?

住田:お二人の流れに近づいてしまうんですけど、うちのゲームは韓国とかアメリカにも出しているんですけど、自分のお気に入りのキャラクターにファンアートをTwitterで書いてくれるんですね。その率が海外の方が圧倒的に高くて、喜んで参加してくれているのを感じます。あと一緒なんですけどCSでメールできて、新しい仕様を考えてくれるレベルの要望が来たりします。

池田:海外の方の方が、熱意を持ってゲームを楽しんでくれてるからこそ本気の意見をくれると。日本人の意見は薄いということでしょうか?

住田:海外のユーザーさんは、自分がこのゲームを選んでこのゲーム面白いよと自慢したい感じがするんですね。

池田:でもそれって乗っかった方が良いですよね。

住田:そうですね。自分が選んだものが如何に面白いかを一生懸命伝えようとしてくれます。

3-3.「これだけはやめとけ!やっとけ!を教えてください。」

野間:そうですね。ずっとマーケティング畑だったので、そっちの観点でのお話をさせて頂くと、海外に進出するときに一番最初は空中戦的に日本からでもコントロールできるアドネットワークであったりDSPであったりとかメガプラットフォームを使って国ごとのCPIやCPAやパフォーマンスを見てどの国にフォーカスしようか決めると思うんですけれども、海外の場合はクラウド系の媒体が非常に多いなと感じるので、海外に配信しているとそこからいっぱい営業の電話が来るんです。そこはご注意頂いた方が良いのかなと思います。また、国ごとにクリエティブとかにカルチャーがあるので、全部その国の経験が豊富じゃない代理店に丸投げしてしまうと成功確率が低くなってしまうと思います。

池田:なるほど。升田さんはいかがでしょう?

升田:海外をやらないということだけはやめた方が良いと思います。絶対やったほうが良いです。開発者目線でいうと、ローカライズのコストとかCSのコスト、メンテナンス費などやりづらいこともあるんですけど、ベースからローカライズ込みで作り込むことで効率よく回せます。ランニングコストさえ抑えられれば、海外のプロモーション費用が毎日1000円くらいで回るところもあります。

池田:毎日1000円で回せたりするんですね。

升田:はい。回せるところもあります。どこかでグローバルで取れたユーザーがバズってくれるかもしれない。にゃんこ大戦争の例でいうと、北米でやった時にたまたま世界的に有名なYouTuberが自分の番組で紹介してくれたんですよ。その瞬間からインストールがドンっと伸びて、そこからずっと好調になったので、宝くじに当たったような感じですけど、そういった事例もあるので、少しでもランニングコストを下げてちょっとでもプロモーションで一石を投じることが大事かなと思います。

池田:素晴らしいですね。世界で勝負というよりかは、まずは地球に投げてみることが大事だと。どこで当たるかなんて分からないですから。住田さんはいかがでしょう?これはやめとけはありますか?

住田:やめとけだと、海外のパブリッシャーさんを探したり声をかけてもらったり、良いことだけ言ってきてノらせて。結局凄い時間がかかって、文化的な背景も違うのでうちはそっちに力を入れるのをやめてます。その代わりに、自分達で国外向けのコンテンツをしっかり作ってカルチャライズだけはめちゃくちゃ頑張ってます。別の国の人が見ても、その国の人の文化・文脈で受け入れられるようにするくらいしてます。そこにはお金をかけた方が良いと思います。

池田:海外のパートナーのうまい話は少し警戒が必要ということですね。升田さん、住田さん、野間さん有難う御座いました。


資料ダウンロード

AnyManagerのご紹介資料がダウンロードいただけます。

ダウンロードはこちら

 

お問い合わせ

AnyManagerに関するご質問、お見積りなど、お気軽にお問いわせください。

お問い合わせはこちら

Latest Blog