Blog

Facebook Icon Twitter Icon Linkedin Icon
Facebook Icon Twitter Icon Linkedin Icon

「人と人の繋がりを広げ、新たなビジネスチャンスに取り組みたい」:広島テレビ放送株式会社 吉田和誉 氏

2024年は、技術革新と規制対応が交錯し、業界全体に柔軟で戦略的な対応が求められた一年だったと言える。こうした状況の中、株式会社フォーエムは、パートナーの皆さまとともに業界を盛り上げるべく、年末年始企画「Leaders’ Insights for Publishers」をスタートしました。本企画では、フォーエムと関わりのあるエグゼクティブの皆さまに寄稿を依頼し、それぞれの視点から2024年を振り返るとともに、2025年のさらなる成長を見据えた注力ポイントについてお話を伺った。本企画を通じて、当社は皆さまと一丸となり、業界の発展に貢献していく決意を新たにしています。

広島テレビ放送株式会社にて、広島テレビ編成戦略部 コンテンツビジネスデザイン部の吉田和誉氏の回答は以下のとおりだ。

プロフィール

2002年広島テレビ放送(株)入社。大阪・東京支社で、テレビCM営業部門を経験後、報道部では国会議員の公職選挙法違反事件を取材。NNN月間賞を取材チームで獲得。2020年より現在のコンテンツビジネスデザイン部でWEBオウンドメディア『感染症・予防接種ナビ』の記事執筆・アドセンス運用を行う。2023年からアプリ広告を導入、運用に携わる。

2024年に取り組まれた主な仕事やプロジェクトについて

広島テレビでは、地上波放送と連動できるアプリを開発・運用しています。弊社が、毎週月~金曜日に放送するローカルワイド『テレビ派』は、広島県で、一番の“視聴率“を誇ります。一方、視聴率は、“定性データ”であり、実際に視聴されている人数・年齢層・性別などの定量的な把握は、困難でした。しかし、アプリの運用が始まり、番組内でアプリと連携したコーナー、『脳トレ(クイズ)』『どっち派(アンケート)』などを実施。FIREBASEやアナリティクスで分析することにより、番組・コーナーの視聴動向を、一定程度、定量的に把握できるようになりました。現在、『脳トレ』では、回答した視聴者の方をランキング形式で、個々人に表示することにより、コーナー放送時のアクティブユーザ平均が8,000人ほどになっています。

広島テレビでは、地上波と連携したアプリを新たなマネタイズポイントと捉え、日々、広告視聴動向などを分析しています。また、開発したアプリを興味のあるメディアにも複数展開し、コンテンツ・広告について、課題を共有しています。テレビ離れと言われる昨今ですが、「生放送」・「視聴者参加」そして、地域を超えたテレビ局同士の「連携」が、今後の地上波ローカル放送局にとってのキーワードになってくると考えています。

2024年のメディア業界で最も注目された出来事

今後のAIの進化の行方が気になっています。先日、ソフトバンクグループの孫正義会長と、NVIDIAのジェンスン・フアンCEOの対談で、「産業・国ごとに、AIインフラを構築していくことになる」との話が出ました。メディア関連企業も、これまで行ってきた、調査・報告・分析だけでなく、コンテンツを制作する流れが訪れるかも知れません。広告会社大手の電通が、全国15~69歳の男女3000人を対象にした調査によると、「AIサービス利用の生活者は3割越え」とのことです。実際に、私の身の回りにも、広告・商材提案を行う方々から、パワポ資料の内容・画像を生成AIで作成しているとの話を多く聞くようになりました。また、放送局での課題に、映像からの「文字起こし」がありますが、AIを使用した「文字起こし」は、数年前とは、隔世の感があるほど正確になっています。コンピュータプログラミングなども同様でしょう。AIによる産業革命がどのような未来になるのかに注目しています。そんな時代にも、人間同士のリアルな交流が大切なのは、言うまでもないですが。

2025年に向けての抱負や目標

2025年は、放送局のみにとどまらず、様々な企業様に「連携」を広げたいと考えています。アナログは時代遅れとの考え方もありますが、実際のデジタルサービスで収益を上げている企業の方は、アナログリソースとデジタルツールを上手く組み合わせている企業が多い印象です。先日、お話させて頂いた企業の方は、各地の繁華街中心部の小型店舗・テナントで「出張」・「インバウンド」・「買い物客」から、手荷物を預かるサービスをスマートフォンアプリと組み合わせ、コインロッカーの代替業務を行うと言うものです。この様な企業様とアライアンスを結ぶなど、人と人の繋がりを広げ、新たなビジネスチャンスに取り組みたいと考えています。

Latest Blog