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「日本の魅力を世界に発信することに取り組んでいきたい」:合同会社彼方此方 村上雅哉 氏

2024年は、技術革新と規制対応が交錯し、業界全体に柔軟で戦略的な対応が求められた一年だったと言える。こうした状況の中、株式会社フォーエムは、パートナーの皆さまとともに業界を盛り上げるべく、年末年始企画「Leaders’ Insights for Publishers」をスタートしました。本企画では、フォーエムと関わりのあるエグゼクティブの皆さまに寄稿を依頼し、それぞれの視点から2024年を振り返るとともに、2025年のさらなる成長を見据えた注力ポイントについてお話を伺った。本企画を通じて、当社は皆さまと一丸となり、業界の発展に貢献していく決意を新たにしています。

合同会社彼方此方にて、CEOを務める村上雅哉氏の回答は以下のとおりだ。

プロフィール

大阪大学で情報科学の博士を取り、面白法人カヤックに2019年入社。その後、グローバルに展開するカジュアルゲーム事業の拡大に貢献してきました。2024年6月に独立し、合同会社彼方此方(あちこち)を設立。ゲームやマンガなどの日本のコンテンツを世界に届けるための、コンテンツ企画開発とマーケティングを手がけています。

2024年に取り組まれた主な仕事やプロジェクトについて

2024年の前半は、カヤックでのゲーム事業部長としての最後の仕事に取り組んでいました。2月には、全世界で同社のハイパーカジュアルゲームの10億ダウンロードを達成させることができました。

6月に独立してからは、FourMさんをはじめ、モバイル・カジュアルでグローバルに勝負したい事業者さんの支援を行っており、企画から携わったタイトルの総ダウンロード数は、すでに700万を超えています(2024年12月時点)。また、生成AIを活用して日本のマンガを翻訳しグローバル展開しているスタートアップ、株式会社オレンジのマーケティング支援も行っています。

エンタメコンテンツをつくって届けてヒットさせるには、感性と論理の両方が高度なレベルで求められ、さらに緻密で徹底的な実行力も求められるということを、独立してから改めてヒシヒシと感じています

2024年のメディア業界で最も注目された出来事

少し全体感の話になってしまいますが、ユーザーの硬直化と、新規獲得の難化を一層目の当たりにした1年だと思います。

スマホというプラットフォームが消費者のインフラとなり、ずいぶん長い時間が経ちました。ストアのトップランキングの顔ぶれが変わらないことからも分かるように、古参アプリほど人気が高くユーザーも固定化し、それらに回帰してしまうことも多く、新しいアプリに定着させて継続率を高めるのが難しくなっているように感じます。一方で、コンテンツと消費者とのタッチポイントにおいては、デジタルコンテンツが流通しすぎて、脊髄でウケるようなものしか手に取ってもらえなくなり、そして手に取ってもらったとしてもユーザーの目移りと離脱が早まっているように感じます。

タッチポイントでしっかりウケて、その後も継続的に利用してもらえるような新規コンテンツを生み出すことが、グッと難しくなったように感じた1年でした。そもそものスマホというプラットフォームが置き換わるようなグレートリセットがないと、今後もビジネスチャンスは減っていくのかもしれないなと、勝手に想像しています。

2025年に向けての抱負や目標

個人的には、2024年は3月に30歳を迎え、4月に第一子が生まれ、5月に新卒入社の会社を退職して、6月に独立という、象徴的な出来事がたくさんありました。ゲームとマンガという日本の縁の深いコンテンツをグローバルに展開する仕事にも関わることができ、大転換となる1年になりました。2025年はその流れを汲みながら、まずはゲームとマンガの領域で着実に成果を挙げられる年にしていきたいです。

いまは強みと縁のあるエンタメ領域から取り組んでいますが、将来的には日本のポップカルチャーだけでなく、食や観光、自然や和文化などのコンテンツも含めて、日本の魅力を世界に発信することに取り組んでいきたいです。少数精鋭で質の高くユニークな仕事を手がけ、価値提供をしていきたいと思っています。

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