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「広告の未来をより良いものにするために、挑戦を続けていく」:GumGum Japan株式会社 セルビー健三 氏

2024年は、技術革新と規制対応が交錯し、業界全体に柔軟で戦略的な対応が求められた一年だったと言える。こうした状況の中、株式会社フォーエムは、パートナーの皆さまとともに業界を盛り上げるべく、年末年始企画「Leaders’ Insights for Publishers」をスタートしました。本企画では、フォーエムと関わりのあるエグゼクティブの皆さまに寄稿を依頼し、それぞれの視点から2024年を振り返るとともに、2025年のさらなる成長を見据えた注力ポイントについてお話を伺った。本企画を通じて、当社は皆さまと一丸となり、業界の発展に貢献していく決意を新たにしています。

GumGum Japan株式会社にて、Managing Directorを務めるセルビー健三氏の回答は以下のとおりだ。

プロフィール

私は現在、GumGum Japanのマネージングディレクターを務めています。GumGumでは、媒体開拓、キャンペーン運用、効果測定までを網羅し、日本のOpen Webにおいて最も高いアテンションを獲得できるプラットフォームの構築を目指しています。当社は国内外の主要企業向けに、オンライン広告配信を通じたブランディングキャンペーンを提供しています。

これまでのキャリアでは、Teads Japanの日本オフィスの拡大を牽引し、Head of Salesとして成果を上げました。それ以前にはEYにて会計業務や法人向け経営コンサルティングに従事。また、シドニーおよび東京のAOLで勤務した経験もあります。

オーストラリア生まれで、幼少期に島根県で過ごしたこともあり、日本語は特に問題なく使えます。英語にはオーストラリア特有の訛りがありますが、相手に伝わりやすいよう心がけています。

2024年に取り組まれた主な仕事やプロジェクトについて

2024年には、国内市場に向けて新たな広告フォーマットを導入しました。HangtimeとSkinは、Open Web媒体における新しい広告体験を提案するフォーマットで、遊び心のある動きを特徴としています。また、ABEMAとのコラボレーションにより実現した日本初のCTVリッチメディア広告のPoCは成功を収め、業界から大きな注目を集めました。

従来の広告フォーマットではなく、既成概念を覆す新しいフォーマットを提供することは、一見すると魅力的でかっこいい試みに見えます。しかし、実際には変化に対する心理的なバリアや不安を解消するために、多くの苦労を伴いました。

それでも、この一年、長い道のりを乗り越え、提案から実現まで成し遂げられたのは、弊社日本オフィスのチームが諦めずに挑戦し続けたおかげです。この成果を支えたチーム全員のスピリットを、心から誇りに思っています。

2024年のメディア業界で最も注目された出来事

個人的に、2024年に最も注目された出来事はアテンション計測の普及だと考えています。

電通さんをはじめとする大規模なアテンションエコノミー調査が行われ、いくつかの媒体(弊社を含む)が日本市場でソリューションの提供を開始しました。このツールは、デジタル広告の価値を新たに評価する可能性を秘めており、ここ20年で最大級のイノベーションになると考えています。

一方で、アテンションの定義はまだ曖昧であり、各媒体が異なる計測方法や基準を掲げている現状があります。そのため、一部からは計測に対する懐疑的な声も上がっています。ただ、「広告がどれだけ見られているか」を正確に把握したいというニーズは、広告主や代理店にとって普遍的なものです。

市場としてはまだ初期段階にありますが、アテンション計測が日本で定着すれば、業界全体に大きな変革をもたらす可能性があると期待しています。

2025年に向けての抱負や目標

2024年に日本市場へ導入した広告フォーマットをさらにスケールさせ、広く定着させることが2025年の最重要目標です。これらのフォーマットは、従来にはないクリエイティビティを活かした設計になっており、より多くのユーザーに価値を感じてもらえるよう努めていきます。

メディアのトレンドは大きく変化しており、「リニアな体験」から脱却し、ユーザーに「選択権」を提供する方向に進んでいます。これまでは、一つのメディア(例えば新聞)やテレビのように、受け身でリニアな体験が主流でした。しかし、現代のユーザーは、自分の好きなコンテンツを好きなタイミングで選べる環境を求めています。

この変化に合わせ、広告体験もまた、ユーザーの期待に即した形で進化しなければなりません。コンテンツと広告体験が乖離することなく、自然にマッチする形を提供し続けることが、2025年の抱負です。時代の流れを意識しながら、広告の未来をより良いものにするために、挑戦を続けていきます。

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