今回はWebメディアにてGAMの広告配信設定が行えることを前提に、ads.txtの設定方法をご紹介します。
広告配信設定ができていても、ads.txtが設置されていないと広告が配信されないこともありますので、要チェックです!
1.ads.txtとは
ads.txtはAuthorized Digital Sellersの略で、Webメディアが広告在庫の販売を宣言するために使用します。
ads.txt はプログラマティック広告の透明性を高めるのに役立ちます。Webメディアがads.txtを設置すると、広告主や配信事業者は簡単に識別できるようになります。
2. ads.txtが誕生した背景
プログラマティック広告における健全化とは、アドフラウドと呼ばれる各種の不正を防ぎ、広告主が支払った広告費が正しく媒体社や広告ネットワークなどの関係者に分配され、広告を通じてそれぞれが成長していく環境に整備することです。
アドフラウド、つまり不正がある状態だと、悪意ある第三者によって広告費が不正に盗み取られ、Webメディアは広告主にとって魅力を失います。
こういった悪意ある第三者の例として、実際には存在しないユーザーを装って広告をリクエストし、収益を得るものがあります。
もちろん、そういったユーザーが存在しないリクエストへの広告配信は費用こそかかりますが、効果は絶対に0です。これにより、広告主は本来得られるはずの効果が得られなくなりますし、Webメディアで発生していたリクエストが奪われることで収益化の機会が失われてしまいます。
例えば、1000万円の費用をかけて広告主が広告を出稿したとします。
1件のコンバージョン(顧客獲得)に、1000円かかるとしましょう。
全体の予算が1000万円ですので、1万件のコンバージョンが獲得できはずです。
しかし、配信先の半分がアドフラウドがだったらどうなるでしょうか。
一件のコンバージョンにかかる費用は、1000円のままですが、その獲得ができる配信が全体の半分になってしまいます。
最初の1000円はアドフラウドに盗まれ、次の1000円で獲得して、…….
これを繰り返すと、結果として1件あたりにかかる費用は倍になり、獲得できる件数は半分になってしまいます。 自動販売機に例えるなら、100円のお水を買おうと思って100円玉を入れたらそのまま飲み込まれてしまい、もう1枚入れなければいけないようなものです。
かけたお金の半分が何も産まずに盗まれてしまう、そんな相手は選びたくないですよね。
そんな心理が広告主に働くと、だんだんWebメディアへの出稿を嫌がるようになります。
インターネット広告市場に流れる広告費が減ってしまうので、Webメディアが受け取れる収益も減ってしまいます。しかも、減った広告費も容赦無くアドフラウドに盗まれてしまいます。
つまり、広告市場の健全化は、広告主・媒体社・広告配信ネットワークの3者にとって非常に重要なテーマなのです。
そこで、ads.txtを導入することで、広告費を横から掠め取っていくアドフラウドを取引から排除できるような仕組みが作られたのです。
3. ads.txtを設定した場合のWebメディアのメリット
Webメディアは ads.txtを設置することで、広告枠の販売者を厳密に管理し、偽の広告枠が広告主に提供されるのを防ぐことができます。
ads.txt を設定すれば、事業者が偽の広告枠を判別できるため、サイト運営者様としても偽の広告枠に収益が流れるのを阻止し、その分収益を増やすことができるというメリットがあります。
現在はads.txtの設定がないと一切広告を配信しない事業者もいます。
4. ads.txtの設定方法
ads.txtという名前のテキストファイルは、以下のようなテキストで構成されたテキストファイルです。
構成:配信事業者の名称, Publisher/Account ID, 取引タイプ(Direct, Reseller), 認証タグ
例:anymindgroup.com, xxxxxxxxxx, Direct, xxxxxxxxxx
このテキストファイルを、Webメディアのルートドメインに設置します。
正解例https://fourm.jp/ads.txt
不正解例:wwwやpublisherなどもサブドメインとなります。https://www.fourm.jp/ads.txt
https://publisher.fourm.jp/ads.txt
5.まとめ
ads.txtを設置して、広告収益を最大化しましょう!
設置しているつもりでも、設置箇所の誤りにより機能していないこともあるため、一度ads.txtの設置箇所を確認してみてはいかがでしょうか。